旧ユーゴ その1 (イタリアからスロベニアへ)2012年10月12日 14:12

旧ユーゴスラビア(ユーゴスラビア社会主義連邦共和国)はスロベニア、クロアチア、セルビア、マケドニアなどの国から構成されていた。現在のスロベニアはEU加盟国でユーロを導入していて、他の国とは異なる。また電化方式も隣のイタリアと同じ直流3,000ボルトで、他の国とは異なる。

■2007年6月3日
EC 51列車 (カサノバ)
ベネチア・サンタルチア駅(15:44)→リュブリャナ駅(19:42)

ベネチア・サンタルチア駅の駅舎。平屋造り。

駅の正面は「大運河」。駅のプラットホームは行き止まり方式で、運河に直角の方向に並んでいる。

駅の正面から見た「大運河」。水上バスが見える。

駅の左手には水上バスとゴンドラの乗り場がある。

駅前の「大運河」を進むと有名なリアルト橋が見える。

ベネチア・サンタルチア駅のEC。EC(特急列車)というと客車の列車が多いが、これは3両編成のスロベニア鉄道(SŽ)の310型電車。旧フィアット製で、カーブを速く走ることができる振り子式。同じものがチェコ、ポルトガルなどで見られる。

2等車の座席。1列4人。中央にテーブルのあるお見合い席。

1等車の座席。こちらは1列3人。振り子式なので車体幅が少し狭いようだ。天井も低い気がする。

ベネチア・サンタルチア駅を提示に出発。プラットホームに停車の電車はこの電車の本家のイタリア鉄道のETR470型と思われる。

すぐにイタリア本土との連絡橋を渡る。かなり長い橋だ。

国境近くの都市のトリエステへ行く線が分岐。

すぐにイタリアの国境駅であるビッラ・オピチーナ駅に到着。車内で出国のパスポートチェックがあった(今はスロベニアがシェンゲン条約に加盟のため無いはず)。この駅で乗務員が交代し、スロベニア鉄道の車掌(手前)と運転士が前の運転席のドアから列車に乗り込む。

駅員の出発合図でビッラ・オピチーナ駅を定刻に発車。

国境を越えるとスロベニアの国境駅のセザナ(Sežana)駅に到着。ここで入国のパスポートチェックがある。この駅からの乗客はパスポートチェックが終わるまで駅の改札口で待たされる。

出発を待つ列車。パスポートチェックのため停車時間は17分もある。国際列車なのにたったの3両。

プラットホーム側から見た駅舎。正面も撮りたかったが、列車を大きく離れるのが怖く、断念した。


駅舎と反対側の線にに貨物列車が見えた。フランス製の電気機関車だ。

出発を待つ列車の運転士。

セザナ駅の次はポストイナ(Postojna)駅に停車。次の停車駅は終着のリュブリャナ駅だ。

リュブリャナ駅に到着。20時前だがまだ明るい。

ECはここまでだが、電車はこれからICS26としてマリボール駅までひと働きする。

数分の停車時間であわただしくスロベニア第2の都市のマリボールへ向かう。

※現在はスロベニア鉄道の310型電車のイタリア乗り入れは無い。イタリアの新しい信号システムに対応できないのが理由。ちょっと残念だ。

シンプロントンネル2012年09月01日 21:22

イタリアとスイスの国境のシンプロン峠を貫通するシンプロントンネルは1906年に開通。上越新幹線の大清水トンネルが開通するまで、長い間、世界一のトンネルだった。イタリア鉄道(FS)の国境駅はイゼッレ(Iselle)駅、スイス連邦鉄道(SBB)の国境駅はブリーク(Brig)駅だが、両国の電化方式が違い、FSのドモドッソラ駅(Domodossola)で機関車を交換するので、同駅がイタリアの実質的な国境駅だ。

■2003年7月19日
CIS 36列車
ミラノ中央駅(18:10)→ジュネーブ(21:55)
 ※実際はドモドッソラ駅(19:25発)からブリーク駅(19:57着)まで。

イタリア鉄道(FS)のドモドッソラ駅の駅舎。

ドモドッソラ駅の2・3番線のプラットホーム。左が1番線と駅舎。奥がシンプロントンネルの方向だ。

プラットホームの古い案内板はイタリア語、フランス語、ドイツ語で書かれている。

列車案内のディスプレイ。スイス・イタリア間の国際列車が発着する他に、ドモドッソラ駅はノバラ(Novara)駅へ行く路線の始発駅でもある。

シンプロントンネルを抜けてミラノ中央駅行の列車が3番線に到着。スイス連邦鉄道(SBB)のこの機関車は広告ラッピングしている。

スイスの機関車が引き上げると思ったら、なんとイタリア鉄道(FS)の機関車が近付いて来た。直前に架線の電源が交流15,000ボルトから直流3,00ボルトに切り換わったのだろう。

スイスの機関車と連結。この後引き揚げて留置線にスイスの機関車を置いて、戻って来る。

戻って来たイタリアの機関車。これで出発準備が完了。

列車は定刻17:21に発車。駅員さんが出発OKを出している。客車はスイス連邦鉄道の所属で、ドイツ語(SBB)、フランス語(CFF)、イタリア語(FFS)の3言語で表示されている。

次のミラノ中央駅行の機関車は460型のファーストナンバーだった。

さっきと同様にスイスの機関車を引きあげるためにイタリアの機関車が連結。

留置線に置かれたスイスの電気機関車。

間もなくミラノ中央駅に向かって出発だ。

乗る予定だったチザルピーノ(鉄道会社であり、列車名でもある)CIS 46列車。旧フィアットの振り子式のETR470型電車で、スイスの電化方式にも対応している。駅でちょとしたトラブルがあり、この列車には乗らず、1時間後のチザルピーノに乗った。

イタリアのドモドッソラ駅からシンプロントンネルを通りスイスの国境駅のブリーク駅に到着。ドモドッソラ駅を出ると車内で係官によるパスポートチェックがあった。

日没前のブリーク駅の駅舎。


■旧フィアットの振り子式の電車
旧フィアット(現在はアルストム)の振り子式の電車(EMU)はヨーロッパ各地の在来線で見かける。

チェコ鉄道(ČD)の680型。2006年6月28日、プラハ ホレショビツェ駅で。

スロベニア鉄道(SŽ)の310型。2007年6月4日、リュブリャナ駅で。

フィンランド鉄道(VR)のS220型。2008年6月7日、ヘルシンキ中央駅で。

ポルトガル鉄道(CP)の4000型。2009年10月8日、リスボン・サンタアポローニャ駅で。

チェントバリー鉄道2012年08月31日 11:13

スイスのロカルノ駅とイタリアのドモドッソラ駅を結ぶ鉄道は、スイス側はティチーノ地方鉄道(FART)、イタリア側はアルプス山麓鉄道(SSIF)だが、相互乗り入れをしていて、チェントバリー(百の渓谷)鉄道と呼ばれている。
急勾配と急カーブを行くので、軌間は1,000メートルのメーターゲージを採用。最高地点はイタリア側。なお、イタリア側には「Re」という2文字の駅がある。

■2003年7月18日
68列車
ロカルノ駅(14:55)→ドモドッソラ駅(16:40)

FARTのロカルノ駅は地下にある。右にイタリア鉄道(FS)の列車が見える。

ベルニナ線のように3両編成の電車(EMU)が2両の客車を牽引する。正面の国旗でイタリアの所属と分かる。

牽引される2両の客車。

電車の運転席。

新型の電車。こちらはスイスの所属だ。

急カーブを行く。先頭の電車から撮影。

チェントバリー(百の渓谷)鉄道というだけあって、橋が多い。スイス側に47、イタリア側に36の合計83の橋がある。

スイスの国境駅のカメド(Camedo)駅。男女の係員が乗り込んで来てパスポートをチェック。スタンプをお願いしたが、「ノースタンプ」とのこと。

カメド駅を発車するとすぐにスイスとイタリアの国境の橋を渡る。

橋を渡るとイタリアの国境駅のリベラシャ(Rlbellasca)駅。「Re」駅は次の駅だったが、通過で写真が撮れなかった。

ドルオーニョ(Druogno)駅で対向列車と交換。この列車はイタリアの所属だ。

ドモドッソラ駅に到着。ここも地価の駅だ。

レーティッシュ鉄道ベルニナ線2012年08月30日 09:42

レーティッシュ鉄道(RhB)はスイス東部のグラウビンデン州を中心とする私鉄。ベルニナ線はリゾート地のサンモリッツから南に向かうが、意外なことに終着の1駅だけイタリアにある。したがって、ベルニナ急行など、ここを走る列車は立派な国際列車である。
急勾配、急カーブが多く、軌間は日本のJRより狭い1メーター(メーターゲージ)。
電化方式は直流1,000ボルト。ベルニナ線とその北のアルブラ線は世界遺産に登録されている。

■2003年7月18日
464列車
ティラーノ駅(12:50)→サンモリッツ駅(15:10)

イタリア鉄道のミラノ中央駅から列車を乗り継いでティラーノ駅に来た。

イタリア鉄道ティラーノ駅の駅舎。

こちらはレーティッシュ鉄道ベルニナ線のティラーノ駅の駅舎。イタリア鉄道の駅舎の左手ににある。

駅舎内の切符売り場(左)。

切符売り場の反対側の壁にある駅名板。姉妹鉄道の箱根登山鉄道が寄贈したもの。

ティラーノ駅のプラットホームは1面2線と小さい。右奥にイタリア鉄道の駅舎が見える。

列車の全景。電車2両で7・8両の客車を牽引する。電車の貫通ドアのマークはグラウビンデン州の紋章。

サンモリッツ行きのサボのある客車。メーターゲージなので車内は狭い。

ティラーノ駅を発車すると路面をしばらく走行する。

7・8分でスイスのカンポコローニョ駅に到着。国境は駅の手前にある。

ブルジオ駅の手前で有名なオープンループ橋を渡る。

ループ橋は石造りで、高度をかせぐために作られた。列車は橋をくぐり、左にカーブして、画面の左から右へ登る。



橋を渡り終えるとブルジオ駅に到着する。

ミララゴ駅を出ると右手にポスキアーボ湖が現れる。

ポスキアーボ駅にはトロッコ列車があった。この天気で、さぞかし気持ちいいことだろう。

ポスキアーボ駅を出発すると、ペアピンカーブを繰り返して高度をかせく。同じ教会が何度も見える。

3分後にも見えた。

ヘアピンカーブを繰り返すと、下にポスキアーボ湖が見える。

カバリア駅に到着。

カバリア駅で対向列車と交換。ベルニナ線は単線だ。

最初の氷河が見えてきた。

高度を上げ、またポスキアーボ湖が見えた。手前の左に通ってきた線路がある。

アルプ・グリュム駅に到着。ここにも箱根登山鉄道の駅名板がある。

今度は左手にビアンコ湖が見える。森林限界を越え、木がなくなった。

ビアンコ湖が続く。もうすぐオピツィオ・ベルニナ駅だ。

オスピツィオ・ベルニナ駅に到着。駅は湖畔にある。

オスピツィオ・ベルニナ駅は標高2,253メートルで、通常の鉄道としては
ヨーロッパで一番高い。

また氷河が見えた。

相変わらず急カーブが続く。

ベルニナ・ラガルブ駅で対向列車と交換。客車の後ろに貨車を連結した混合列車だ。

ズロバス駅は花で飾られていた。

ポントレジーナ駅に到着。対向列車が待っている。

列車から見たポントレジーナ駅のプラットホーム。

終着駅のサンモリッツ駅に到着。

サンモリッツ駅の駅舎。

ブレンナー峠2012年08月18日 21:53

オーストリアとイタリアの国境のブレンナー峠はアルプスを越える他の主要な峠より低く、昔から多くの人がイタリアに行く際にここを通った。モーツァルトも3回のイタリア旅行ではブレンナー峠を越えた。鉄道はトンネルに頼らず1867年に開通した。

■2006年7月3日
EC 81列車
ミュンヘン中央駅(7:30)→ベローナ・ポルタ ヌオーボ駅(12:59)
 ※実際はインスブルック中央駅(9:26発)から。

インスブルックの地名の基になったイン川。中央駅の近くを流れている。

朝のインスブルック中央駅。

インスブルック中央駅に到着したオーストリア鉄道の電気機関車(1116型)。客車はドイツ鉄道の所属。

乗降ドアにある行き先票(車内から)。

快晴のチロル地方を行く。

並行する高速道路。ヨーロッパで一番高い(190メートル)ヨーロッパ橋の近く。

ブレンナー駅に到着。

オーストリアは交流15,000ボルト、イタリアは直流3,000ボルト。この機関車はイタリアの電源には対応していないので、ここまで。駅名はイタリア語とドイツ語の両方で書かれている。

架線がイタリアの電源に切り換わり、オーストリアの機関車を引き上げるために小さなディーゼル機関車が登場。

オーストリアの電気機関車は客車から切り離され、ディーゼル機関車に牽かれて引き上げる。

イタリアの電気機関車を待つ列車。右はイタリアからのローカル列車。

イタリアの電気機関車が自力で入って来た。遠くにさっきのオーストリアの機関車が見える。

オーストリア側の所定の留置場所に移動中。

間もなく出発だ。

推進運転のイタリアのローカル列車とすれ違い。

フォルテッツァ駅で小休止。

ボルツァーノ駅。ここも両方の言葉で表示。

食堂車で昼食。まずサラダとビール。

そしてソーセージ。ビールをお代わり。

食堂車の各テーブルには、昼だがランプが灯っていていた。

食堂車の外観。ベローナ・ポルタ ヌオーボ駅で。

ベローナ・ポルタ ヌオーボ駅に到着した列車。