旧ユーゴ その7 (セルビアからハンガリーへ)2012年11月01日 13:08

セルビア鉄道(ŽS)の国境駅はスボティツァ(Subotica)駅、ハンガリー国鉄(MÁV)の国境駅はKelebia駅。両鉄道の電化方式は同じ交流25,000ボルトだ。

■2010年9月14日
IC 344列車
ベオグラード中央駅(7:20)→ブダペスト東駅(14:55)
 

ベオグラード中央駅の前を走るトラム。

チケット売り場。国際列車は専用の窓口がある。

相変わらず首都の駅だというのに薄汚れていて、首都の駅とは思えない。行き止まり方式の駅。

乗車するのは左の1番線の列車。2番線の列車はテッサロニキ駅とソフィア駅経由でイスタンブール駅へ行く。最後部の客車はトルコ国鉄の所属。

乗車する列車の最後部の客車はチェコ鉄道の所属だ。この列車はブダペスト東駅からはEC344列車となってプラハ中央駅まで行く。

列車の中央には食堂車が連結。セルビア鉄道の所属だ。キリル文字でRESTORANと書いてある。

一番前へ行くと、電気機関車の前にディーゼル機関車が連結されていた。回送だろうか。

本務機の電気機関車。

前から3両目の1等車に乗車。セルビア鉄道所属のコンパートメント車だ。

客車の乗降ドアにあった行き先案内板。

ベオグラード中央駅を発車するとすぐに右手に蒸気機関車が放置されている。前回(07年)とは違うタイプだった。

中央駅を出て間もなく、3両目から見た列車前方。1両目はロシア、2両目はウクライナの所属。電気機関車はパンタグラフを下している。

3両目から見た列車後部。4両目はチェコ、5両目はセルビア(食堂車)、6・7両目はチェコ、8両目はセルビア、9両目はチェコの所属だ。

ベオグラード近郊の駅に停車中の電車(EMU)。旧ソ連でよく見るタイプだ。いたずら書きがひどい。

ディーゼル機関車が切り離され隣のプラットホームを通過。

出発時間が早くホテルで朝食を食べられなかったので、食堂車へ移動。通路の両側に4人テーブルがあるが、誰もいない。

コーヒーとサンドイッチを注文。ハムがおいしかった。

ドナウ川を渡るとセルビア第2の都市のノビ・サド(Novi Sad)駅に到着する。ベオグラード中央駅を発車し、1時間でザグレブ中央駅へ向かう線から分岐するとブダペスト東駅まで単線が続く。徐行や列車交換待ちで徐々に遅れが増える。

女性の駅員が出発合図。もう一人も女性だ。

貨物列車と交換。この線は貨物列車が多い。

国境駅のスボティツァ(Subotica)駅の構内。1時間弱の遅れ。

客車から見たスボティツァ(Subotica)駅。

停車するとすぐに乗客が乗り込んできた。左に見えるセルビア鉄道の客車に乗った。

国境駅だが緊張感はなく、降車して列車の写真も撮れた。

しばらく停車の後、列車はプラットホームの先に進んでまた停車。柵で仕切られている。車内ではパスポートのチェック(スタンプは押してくれなかった)。

隣にはハンガリー国鉄の電気機関車。ここで機関車を交換するようだ。

これから列車を牽引するハンガリーの機関車(手前)と列車を牽引してきたセルビアの機関車(奥)。

柵の付近で係官がのんびり。

出国手続きが終わりようやく発車。1時間1分遅れ。2両の機関車のうち、奥の機関車がここまで牽引して来た。時刻表上の停車時間は36分。

10分ちょっとでハンガリーの国境駅のKelebia駅に到着。

構内には多くの貨物列車があった。列車は左手のプラットホームに停車する。

待機中のハンガリー国鉄のV43型(現431型)の電気機関車。右に駅舎がある。

ローカル列車が待機。

入国手続きが終わりプラットホームに出た。パスポートは携帯の箱型の端末でチェック(ハンガリーからウクライナへ 参考)。Kelebia駅の時刻表上の停車時間は30分。1時間3分遅れで発車した。ハンガリーに入るとインフラが良くなり、列車のスピードが上がった。

姉妹列車のIC345列車と交換。

1両目はウクライナ、2両目はロシア鉄道(新塗装車)の所属。ロシア人の女性客室乗務員がこっちを見ている。

食堂車は後から3両目にある。

ローカル列車と交換。後の電気機関車が客車を押すので、先頭は運転室付の客車。車掌が列車を見ている。

ブダペスト近くを最後の快走。

貨物の操車場を通過。電気機関車はスロバキアの所属だ。

ブダペスト東駅に到着。56分遅れだった。

ブダペスト東駅はいつも混雑している。手前の階段は地下鉄に通じている。

駅の正面。1884年に作られた。

旧ユーゴ その6 (マケドニアからセルビアへ)2012年10月28日 20:23

マケドニア鉄道の国境駅はタマノビツェ(Tabanovce)駅、セルビア鉄道の国境駅はプレシェボ(Preševo)駅。両国は同じ交流25,000ボルト。

■2010年9月13日
336列車
テッサロニキ駅(5:57)→ベオグラード中央駅(18:06)
 ※実際にはスコピエ駅(9:00発)から乗車。

スコピエ駅は高架駅だ。

高架下の駅のチケット売り場。コンクリート造りの殺風景な駅舎。薄暗かった。

発着案内のディスプレイ。右が到着、左が出発。首都の駅だというのに列車の数がわずかだ。

南側から見たスコピエ駅のプラットホーム。プラットホームは5面あるが、線路が敷かれているのは6番線まで。

3両編成のディーゼル動車が1番線に到着。

国境駅のタマノビツェ駅から2両編成の列車が到着。


大きく遅れたベオグラード中央駅からの国際列車が4番線に到着。

ようやくテッサロニキ駅からの国際列車が3番線に到着。客車はたった2両だ。

前の客車はギリシャ鉄道、後の客車はセルビア鉄道の所属。

プラットホームには増結用のマケドニア鉄道の客車が待機。前後の客車の真ん中に連結された。マケドニア国旗と同じ赤と黄色の塗装だ。

スコピエ駅から1時間で国境駅のタマノビツェ駅に到着。

外を見ると貨物列車にセルビア鉄道の機関車が連結。この駅で機関車の交換が行われるようだ。

車外に出るとマケドニアの電気機関車はすでに引き上げていた。

セルビアの電気機関車が連結のため、動き出した。この直後に係官に車内に戻るように言われた。国境ではなかなか自由に行動できない。

タマノビツェ駅を出るとすぐに国境がある。セルビアからマケドニアを振り向いたらこのような標識があった。運転士への何かの指示だろう。セルビアとクロアチアの国境にも全く同じものがあった(旧ユーゴ その3)。

こんな施設も。今は使われていないようだ。

ようやくセルビアの国境駅のプレシェボ駅に到着。

入国審査が終わり、ようやく国境駅を1時間遅れで発車。駅員が出発合図をしている。

Doljevac駅。ここからコソボに行く線路(貨物のみ)がある。この貨物列車はコソボへ行くのだろうか。ディーゼル機関車に乗っている人は青いシャツを着ていて、国境関係の係官のように思える。

分岐駅のニシュ(Niš)駅に到着。2007年以来だ。

駅員が出発合図板を脇に抱えて出発を待っている。1時間遅れで発車。ここからベオグラードまではは単線だったり複線だったりする。

Velika Plana駅の施設に描かれた蒸気機関車。

やっとベオグラード中央駅に2時間遅れで到着。相変わらずセルビア鉄道のインフラは貧弱でスピードは出ない。

電気機関車はセルビア国内で一度も交代せず、ベオグラード中央駅まで走り通した。隣にはオーストリアの客車が見える。

旧ユーゴ その4 (セルビアからブルガリアへ)2012年10月21日 17:02

セルビア鉄道(ŽS)とブルガリア国鉄(БДЖ/BDZ)は同じ交流25,000ボルトの電化方式だ。両国の首都を結ぶ線だが、直通列車は1日にわずか2往復しかない。セルビアは中央ヨーロッパ時間、ブルガリアは東ヨーロッパ時間を採用している。そのため、国境で時間を1時間進める必要がある。

■2007年6月6日
D 491列車
ベオグラード中央駅(8:40)→ソフィア中央駅(17:44)

ベオグラード中央駅前のトラム。

ベオグラード中央駅の駅舎。

中央駅のプラットホーム。右がローカル用、左が長距離用。すでにソフィア中央駅行の列車が入線している。

列車は客車が5両だ。一番後ろの客車(寝台車)はイスタンブール駅まで行く。

列車を牽引する電気機関車は461型。

定刻にベオグラード中央駅を発車。駅の構内は広い。

駅のはずれに機関車の留置場所がある。

留置場所には蒸気機関車が放置されていた。いつまで使われていたのだろうか。

ベオグラード郊外の4線区間を行く。まもなく4線は終わり、単線や複線が続く。客車の落書きがひどい。2両目の客車の塗装は右と左で違うようだ。

Palánka駅に停車。女性の駅員が列車を監視。

ヤゴディナ(Jagodina)駅で列車交換。この機関車には昨日出会った。ここから単線になる。

ニシュ(Niš)駅に到着。各方面への分岐駅で、マケドニアへ向かう線が出ている。セルビアで3番目の都市だ。

電化区間はここまで。ここまで列車を牽引して来た機関車が切り離される。

列車の反対側にディーゼル機関車が連結。進行方向が逆になる。時刻表上での停車時間は32分もある。

隣のプラットホームの列車。同じ461型だが、塗装がボロボロ。

駅構内の機関区では牽引して来た機関車がパンタグラフを下して一休みしていた。

その先にはまたも蒸気機関車が放置されていた。

ニシュ駅から国境まで単線が続く。機関車は音が大きく排煙もすごい。スピードは出ず、駅の手前でいったん停止するので、次第に遅れる。この区間は完全にローカル線だ。

車窓にこのような石灰岩が続く。

列車の後ろを振り返る。スロベニア以来のトンネルもある。


Bela Palanka駅に停車。30分遅れで発車した。

ひなびたČiflik駅で長時間の運転停車。

停車は姉妹列車との交換のためだった。

この区間の列車は昼が1往復、夜に1往復とさびしい状態だ。

構内のカーブをゆっくり進む姉妹列車。

セルビアの国境駅のディミトロブグラード(Dimitrovgrad)駅に到着。今までの駅とは違う見違えるような駅だ。架線も張られ、ブルガリア国鉄の電気機関車が待機していた。プラットホームには乗客が多数。外に出ようとしたら係官に制止された。

列車から見た駅舎。乗客はぶrこウガリアからこまでたばこなどを買い出しに来るようだ。

セルビア鉄道のディーゼル機関車が切り離され、ブルガリア国鉄の電気機関車が前進して、客車に連結する。機関車は44型だが、更新・改造されて特別の塗装を施されている。出国と入国の両方のチェックをここで行った。

列車は満員になった。駅を45分遅れて発車した。ソフィアの近郊まで単線が続く(写真は駅の構内)。

ソフィア中央駅に到着。約1時間半遅れた。機関車は到着後すぐに切り離された。

ソフィア中央駅の駅舎はコンクリート製でばかでかい。ちょうどブカレスト来た駅を経由してモスクワへ行く列車が停車していた。

旧ユーゴ その3 (クロアチアからセルビアへ)2012年10月18日 13:56

クロアチア鉄道(HŽ)もセルビア鉄道(ŽS)も電化方式は同じ交流25,000ボルト。そのため機関車の交換はスムーズだ。クロアチアの国境駅はTovarnik駅、セルビアの国境駅はŠid駅。

■2007年6月5日
741列車
ザグレブ中央駅(9:00)→ビンコビチ駅(12:04)
419列車
ビンコビチ駅(12:26)→ベオグラード中央駅(15:33)

ザグレブも落ち着いた歴史ある町(首都)だ。中央駅から少し歩いた丘の上にある聖マルコ教会。屋根のモザイクが印象的。右がザグレブ市の紋章だそうだ。

中央駅前の停車場ののトラム。後ろに駅舎が見える。

チケット売り場。国際列車のチケットは専用の窓口で販売する。

プラットホームへの入口(ヨーロッパでは改札はしない)。入口を抜けると左か右の駅舎の壁にマリア像があり、通る人々が拝んでいた。

この店は主に雑誌を売っていた。

出発時刻案内板。乗車する列車は上から5番目。Brziはクロアチア語で急ぎの意味。快速か急行のことだろう。2番線からの発車だ。

発車を待つ列車。4両の客車にミュンヘン中央駅から到着した列車の1両を先頭に連結して、5両編成になった。赤い帽子の駅員が出発合図板を脇にかかえている。客車はすべてクロアチア鉄道の所属。

1等車のコンパートメント。きれいだった。

途中の停車駅のNova Gradiška駅。ザグレブ中央駅を出て少し行くと線路が単線になり、長い距離続く。ここはすでに複線に戻っている。


Nova Kapela駅で2両編成のディーゼル車(DMU)とすれ違う。

列車の最後部から。クロアチアも右側通行だ。

スラボンスキ・ブロド(Slavonski Brod)駅を発車。この町はクロアチアで6番目の都市で、ローマ帝国時代からあるようだ。アガサ・クリスティの「オリエント急行殺人事件」ではビンコビチ駅とブロド駅の間で事件が発生したことになっている。冬に雪だまりができ、列車(シンプロン・オリエント急行)がストップするとは想像もつかない。

終着駅のビンコビチ(Vinkovic)駅に到着。

列車を牽引してきた機関車が引き上げ、代わって入換用の機関車が来て列車に連結。

牽引してきた機関車は別の線路を使ってザグレブ側に戻る。

先頭の1両の客車(ミュンヘン中央駅から)を連れて、入換機関車が移動。1番左がザグレブからの客車。2番目がザグレブ中央駅に向かう始発の列車。そして3番目がベオグラード中央駅に向かう列車。この列車の先頭に連結する。

ビンコビチ駅は構内が広く、3つ見えるプラットホームの左手に駅舎と片側のプラットホームがある。

連結する直前。

国境までわずかだが、別の機関車が牽引する。客車は合計で3両だ。それでも乗客は少ない。

間もなく国境。天気が良く、列車の影がバラストに。線路際の花は何の花だろうか。メモによると、ビンコビチ駅を出ると車内で出国のパスポートチェックがあり、途中駅で係官が列車に乗り込んで税関チェックを行ったようだ。

クロアチアの国境駅のTovarnik駅に到着。機関車がどうなったか気になるが、ドアが開かず外に出られない。ここからの乗客は駅舎の隣の事務所の係官がチェックして乗車した。時刻表上の停車時間は13分。

Tovarnik駅を発車。隣に貨物列車がいるが機関車はクロアチア鉄道の機関車だ。われわれの列車の機関車も交換せずに、このままセルビアに行くのだろう。

Tovarnik駅を出ると国境だ。右の看板の辺りが国境と思われる。

まもなくセルビアの国境駅のŠid駅に到着。クロアチア鉄道の機関車が待機している。やはりこの駅で機関車を交換するようだ。

隣のプラットホームにザグレブ方面に行く列車が到着し、セルビア鉄道の機関車を切り離した。奥に見えるクロアチア鉄道の機関車と交代だ。

牽引して来た機関車がいったんクロアチア側に引き上げる。

代わってクロアチア鉄道の機関車が近づいて来た。

クロアチアの機関車が客車と連結。遠くのセルビアの機関車が動き出した。

何とセルビアの機関車が近づいて来た。我々の列車の線路を使って引き上げるようだ。

セルビアの入国審査が終わると、駅舎で待っていた乗客がプラットホームに入って来た。入国審査中はドアが閉まり外に出られない。隣のプラットホームには係官が出国審査中。ここまで牽引して来たクロアチア鉄道の機関車が右に見える。

列車から見たŠid駅の駅舎。駅員が出発合図板を脇にかかえている。

Šid駅を発車。時刻表上での停車時間は20分だ。余裕がなく、先頭の機関車の写真は撮影できなかった。

すれ違ったセルビア鉄道のローカル列車の電車(EMU)。

Ruma駅に停車。

貨物列車が出発を待っていた。

今度は電気機関車に牽引された客車のローカル列車とすれ違う。この機関車は旧塗装だ。

一番後ろの3両目の客車から前を見る。もうすぐベオグラード中央駅だ。

ベオグラード中央駅に到着。初めての行き止まり方式の駅だ。プラットホームは古く、うす汚れている。

ベオグラード市内で見るべきものはあまりない。やはりこれだろうか。1999年のNATO空爆の建物が残っていた。手前をトラムが通過。