モーツァルト号 その22012年08月01日 17:45

ウィーンとパリを結ぶ列車・モーツァルトは2002年12月14日で廃止となり、翌日の12月15日からウィーン・ミュンヘン、ミュンヘン・パリの2つの列車に分割され、前者がモーツァルト号の名前を引き継いだ。

■2006年7月2日
EC 68列車 (モーツァルト)
ウィーン西駅(8:22)→ミュンヘン中央駅(12:30)
 ※実際に乗車したのはウィーン西駅からザルツブルク中央駅(10:59着)まで。

ウィーン西駅のモーツァルト号。機関車が新しい1016型に変わった。

列車の先頭はファーストクラス。客車はオーストリア国鉄の所属。

ホテルで朝食とらなかったので、食堂車でサラダとビールの朝食。

ビールを追加。奥に見えるのはランプで、夜は各テーブルのランプが点灯する。

改良工事が終わったリンツ駅に停車。モーツァルトはここリンツで交響曲第36番・リンツ(KV.425)を作曲した。食堂車のメニューはスタンドに立てかけてある。

ザルツブルク中央駅に到着。線路改良工事で所要時間が2002年より短くなった。機関車は終着駅のドイツのミュンヘン中央駅まで牽引する。

ヨーロッパの主要駅では列車の編成表示盤をよく見かける。68列車・モーツアルト号は下から2番目にある。

ザルツブルクはドイツとの国境に近い。オーストリアとドイツは電化方式が同じなので、ドイツの電気機関車が乗り入れてくる。

回廊列車 その12012年08月05日 15:29

国内列車だが、距離的・時間的に短い、あるいは飛び地のために他国を経由する列車がある。回廊区間は国内扱いのため原則的に停車はせず、乗降ができない。

■2006年7月2日
566列車
ウィーン西駅(13:30)→ブレゲンツ(23:05)
 ※実際に乗車したのはザルツブルク(16:31発)からインスブルック中央駅(18:30 着)まで。

ザルツブルグからインスブルックに行くには、オーストリアを行くよりはドイツのローゼンハイムを経由したほうが約50キロ短い。その上、ドイツ経由のほうがオーストリア経由よりも平坦だ。そのため、多くの列車がローゼンハイム(正しくはその手前)を経由する。

ザルツブルク中央駅の列車の編成表示盤。566列車は上から2番目。

ザルツブルク中央駅を出るとすぐに列車はザルツァッハ川を渡る。進行方向左手には丘の上にホーエンザルツブルク城が見える。オーストリアとドイツの国境はもうすぐで、回廊区間に入る。次の停車駅はクフシュタイン駅だ。

食堂車でウィーナーシュニッツェル(カツレツ)とビール。この日は日曜日で混んでいて、珍しく相席だった。

回廊区間を終えて、クフシュタイン駅に到着。右の赤い機関車はドイツの機関車。青と白の機関車はイタリアの複数電源対応の機関車。ドイツ・オーストリアは交流15kV、イタリアは直流3000V。

クフシュタイン駅を出発。こちらにも複数電源対応の機関車が待機。貨物輸送会社の所有と思われる。駅の後ろにそびえるのはクフシュタイン砦。

途中の駅(Wörgl駅か)で見たローカル列車。

インスブルック中央駅の566列車。列車はここから西に向かい、スイスの国境近くまで行く。

反対のプラットホームにはイタリアからの国際列車(EC86、ベネチア・サンタルチア駅→ミュンヘン中央駅)が。

回廊列車 その22012年08月07日 18:30

バルト海に面したロシアのカリーニングラード州はロシアの飛び地である。モスクワやサンクトペテルブルクとカリーニングラードを結ぶ列車はリトアニアを通過する。ロシア人はカリーンニングラードに自由に行き来できるが、ビザなしでリトアニア国内で乗降することはできない。

■2008年6月10日にビリニュスで目撃
80列車
カリーニングラード駅(9:49)→ビリニュス駅(15:29/15:49)→サンクトペテルブルク・ビテプスク駅(11:10)

ビリニュス駅の外観。手前の架線はトロリーバス用。

ビリニュス駅の内部。天井が高い。

ビリニュス駅のチケット売り場。

跨線橋から見たビリニュス駅のホーム。3種類のディーゼル気動車(DMU)がいる。

回廊列車が到着。機関車はリトアニア国鉄のTEP70。

跨線橋から見た回廊列車。回廊列車はフェンスで囲われたホームに到着する。

回廊列車なので、停車してもロシア人はホームに出られない。ホームには誰もいない。

この列車には食堂車が連結されている。車両の上の文字はキリル文字で「レストラン」。

リトアニアの国内を牽引してきたディーゼル機関車はビリニュス駅で交換する。機関車は任務を終え、基地へ帰る。

ビリニュス駅はベラルーシ国境に近い。列車はここからベラルーシ国鉄のディーゼル機関車のに交代する。機関車はTEP70。

回廊列車の全景。機関車交換を終え、間もなく出発だ。

ビリニュス駅を出発する回廊列車。いつか乗ってみたいものだ。

リトアニアからポーランドへ2012年08月11日 19:20

旧ソ連のリトアニアの軌間(ゲージ)は広軌の1520ミリ。一方、ポーランドは標準軌間の1435ミリ。国境ではこれをどのように克服しているのだろうか。
リトアニアの国境駅はMockava駅、ポーランドの国境駅はトラキシュキ駅。2007年12月21日から両国ともシェンゲン圏になり、パスポートチェックがなくなった。

■2008年6月11日
193列車
ビリニュス駅(11:40)→シャシュトカイ駅(リトアニア)(14:43)
91002列車
シャシュトカイ駅(15:08)→ワルシャワ西駅
 ※実際に乗ったのはワルシャワ中央駅(20:30着)まで。

ビリニュス駅の時刻表示盤。

時刻表どおりにバルト海に面したクライペダ駅からG18列車が到着した。

193列車は3両編成の気動車(DMU)。

リトアニアの駅は個性的だ。この駅は無人駅のようだ。

この列車はカウナス駅に寄らず、その近くをショートカットする。なお、リトアニア
は大部分が非電化で、首都ビリニュスと第2の都市カウナスの間だけが電化区間で、電車(EMU)が走っている。

Jūrė駅の女性の駅員さん。出発合図票を持っている。

駅員さんは出発合図を終え、事務室に。

この駅もなかなかいい雰囲気だ。

セカンドクラスの車内。外観とは違い、改装されてきれいだ。貫通ドアの上に電光掲示板もある。

マリヤーンポレ(Marijampolė)駅。

シャシュトカイ駅に定刻より遅れて到着。

プラットホームの反対側にはポーランドの列車。標準軌間はここまで来ていた。接続時間が短く十分に写真を撮れなかった。

ポーランドの列車の行き先表示板(サボ)。

ビリニュス駅から来たリトアニアの列車はすぐに折り返してビリニュス駅へ戻った。

ワルシャワ行きのポーランドの列車も接続客を乗せて、すぐに出発。左隣の線路は標準軌間の留置線。

標準軌間の留置線と合流。

左側の広軌の線路と間もなく合流。

広軌と標準軌のデュアルゲージ。標準軌間は左から2番目と4番目のレールを使用する。

デュアルゲージは次の国境駅のMockava駅まで続く。

列車の最後部から見たリトアニアの国境駅のMockava駅。デュアルゲージは直前で終わり、広軌は右側に分岐する。広軌は貨物を(リトアニア国内に)運ぶためにあるのだろうが、どの程度使っているのだろうか。

リトアニアの国境駅のMockava駅も女性の駅員さんだった。

Mockava駅を出発して、リトアニアとポーランドの国境に向かう。

国境を通過して、ポーランドの国境駅のトラキシュキ駅に到着。踏切の後ろにあるのは昔の監視設備だろうか。

トラキシュキ駅。ここで簡単なパスポートチェックがあった。ここから東ヨーロッパ時間から中央ヨーロッパ時間になるので、時計を1時間早める。

列車はパスポートチェックが終わると出発する。チェックしたのはプラットホームの2人。左はローカルの貨物列車。

間もなくスバウキ駅に到着。この駅はスイッチバックだった。列車は左の列車の後部に連結する。

連結作業のため、列車はプラットホームからさらに進む。

今度はバックし、待っていた列車に連結だ。駅舎はレンガ造りで素晴らしい。

待っていた列車の後部に連結し、シャシュトカイ駅から牽引してきたディーゼル機関車はここで終わり。

待っていた列車の行き先表示板(サボ)。

針葉樹の林の中を快走する。

ディーゼル機関車に牽引された列車の前方。客車がカラフルだ。

列車の後方。結構長い編成の列車だ。

ビャウィストク駅に到着。ここはポーランド北東部の最大の都市だ。ここからサッカーユーロ2008に応援のためにドイツ・オーストリアに行くお客がたくさん乗り込んできた。

牽引してきたディーゼル機関車は交代する。

ここから電化区間で、電気機関車が接近してきた。左は任務を終えたディーゼル機関車。腕機信号機が珍しい。

連結を終え、出発準備が完了。

ワルシャワ中央駅に到着。この駅は地下にあるスルー(通過)タイプの駅。この列車のように東の方から来る列車は西駅まで、西の方から来る列車は東駅まで行く。

ドイツからベルギーへ2012年08月13日 20:02

ドイツからベルギーへ行くルートは一つだけ。ドイツのケルンから国境駅のアーヘン駅を経由してリエージュ、ブリュッセルに向かう。ドイツの電源は交流15,000ボルト、ベルギーは直流3,000ボルト。アーヘン駅で機関車を交換する。

■2002年5月7日
D428列車
ケルン中央駅(15:02)→オーステンデ駅(19:16)
 ※実際に乗車したのはブリュッセル中央駅(18:04発)まで。

ケルン中央駅はケルン大聖堂の隣にある大きな駅だ。

ケルン大聖堂から見たライン川にかかる3複線の鉄橋。ケルン中央駅は左下。ベルギーに向かう列車はこの鉄橋を渡らない。

ケルン中央駅の列車。牽引するのはドイツ鉄道(DB)の電気機関車112型だ。

列車はすべてベルギー国鉄(SNCB)の客車だった。一番後ろの客車は推進運転ができるように運転室付だ。

客車の内部。最近の客車できれいだ。

原子力発電所のようだ。反対側には風力発電機が回っていた。

車内販売のベルギービール(ジュピラー)を一杯。

ドイツの国境駅のアーヘン駅に到着。

ドイツ鉄道の機関車が去った後に架線の電源が切り替わり、ベルギー国鉄の電気機関車がやって来た。

機関車の連結作業。日本のように自動連結器ではないので、作業員が必要だ。

まもなく出発だ。アーヘン駅で車掌も交代し、右側通行から左側通行に変わる。

ケルン中央駅に向かうタリスが到着。

ブリュッセル中央駅に到着。この駅はワルシャワ中央駅と同様、地下でスルー(通過)タイプだ。列車は北海に面したオーステンデ駅まで行く。

ブリュッセル中央駅の外観。